ウォーレン・バフェット ウォッチャー

"投資の神様"と名高いウォーレン・バフェット氏をウォッチするブログ。同氏がCEOを務めるバークシャー・ハサウェイ社の動向と関連する情報をフォローする。

バークシャーが配当を支払うとき

バフェットがCEOを務めるバークシャー・ハサウェイは株主に配当を支払っていません。利益を内部留保して更なる成長に向けて投資をするか、若しくは自社株買いをする方が配当を支払うより株主の為になるから、とバフェットが考えているからです。株主から配当をする様に求められたこともありますが、その案は他株主に圧倒的反対を以て否決されたことがあります。このことからわかる通り、株主も配当を望まず、バフェットにお金の使い方を委ねています。


ただ、物事には必ず終わりがあります。バークシャーの成長も限界を迎える可能性があることをバフェットは2014年のannual reportの中で以下の通り認めています。


「おそらく10~12年後には、経営陣が利益を賢明に再投資出来なくなる水準まで、バークシャーの利益や現金が到達するでしょう。その時には、当社の経営陣は利益を配分する最善の手段は配当か自社株買いか、若しくはその両方か、を決定する必要に迫られます。バークシャー株が本質的価値を下回る金額で売買されていた場合、大量に自社株を買い戻すことこそが最善の選択です。」


10~12年後、つまり、2024~2026年にはバフェットがいう「賢明に再投資出来ない水準」までにバークシャーは大きくなることが予想されます。では、その時の配当とはどれくらいの規模で、2016年の現在からバークシャーの株主である私たちにはどれくらいの現金リターンが見込まれるのでしょうか。


以下はバークシャーの2015~2026年までの純資産の伸び率を


①バークシャーの1965~2015年の伸び
②バークシャーの2006~2015年の伸び
③S&P 500の1965~2015年の伸び
④S&P 500の2006~2015年の伸び


の4パターンと同じと仮定して予想したグラフです(単位はUS$ billion)。



①のケースはバフェットも認めている通り、これまで程の伸びが期待出来ない中、非現実的な数字と言えるでしょう。バークシャーの伸び率が③・④のS&P 500よりは高いであろうことを考慮すると、②が最も現実的な数字ではないかと思われます。純資産がUS$700~800 bil.(110円/US$で換算して77~88兆円)にまで積み上がるケースですね。


では、そのときの配当額はどれくらいになるのでしょうか。


2026年の利益は上記の計算に基づくと、US$69 bil. (US$747 bil. - US$678 bil.)に上ると予想されます(⇒D)。また、2015年の純資産の1.3倍の株価US$336 bil.である株主が購入したとします(⇒C)。仮に配当性向30%とバークシャーの経営陣が設定した場合、配当総額はUS$21 bil.(⇒E)となり、購入した株価に対する配当の割合は6%(⇒F)となります。これが配当性向50%ですと、10%(⇒J)と比率が上がります。




バークシャーには投資先の業界の際限はありませんが(トヨタなら車に関係する投資しかしない)、純資産・現金が大きすぎるが故に買収のターゲットが絞られてしまうという贅沢な悩みがあります。2026年にはこの悩みが限界に達するとバフェットは予想している訳ですが、それでも株主は長期的な競争力を持った幾つもの会社の資産に裏打ちされた安定的な現金配当を手にすることが可能となります。


更に、配当を開始したと同時にバークシャーの成長が限界を迎えたと感じた株主は離れていき、その結果株価は下落するかもしれませんが、その時にはバークシャーがその余りある現金で自社株買いをし、残った株主に株価の成長を齎してくれるでしょう。


かくいう私は、自分で個別株に投資する自信は全くないので、2026年になってもバークシャーに内部留保して投資の機会を探してもらうことを望みます笑。






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