バフェットは何故アップルに投資したのか?
ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイ社が、iPhoneでお馴染みのアップル社の株式を約2.5%、170億ドル相当を購入したことを発表しました(2017年1月末)。"Big 4"と呼ばれるウェルズ・ファーゴ、コカ・コーラ等への投資と同等の金額を投じたことになります。
巷では、
『あのIT銘柄嫌いのバフェットがアップルに投資したということは、彼の投資方針が180°変わったことを示すのではないか』
等、あたかもアップルへの投資がこれまでのバフェットの方針と異なるかのような論説が目立ちます。
本当にそうなのでしょうか?アップル株に対するバフェットの言葉を様々な報道から拾ってみました。
(何故アップル株を購入したか、と問われ)『好きだからだよ!』
『アップルの製品は消費者を惹きつける粘着性があり、役に立つものである』
『私はiPhoneは持っていないが、iPadは持っている。誰かにもらったものだ。』
これらの言葉からわかるのは、バフェットがコカ・コーラやアメリカン・エクスプレスと投資したときと同様、アップルがブランドを確立していて、消費者を掴んで離さない魅力を持っているものと理解していることがわかります。
バフェットにとってのアップルは、『理解の出来ないIT銘柄』なのではなく、『理解出来る優れた事業』と映っているということなのでしょう。
更に、ファンダメンタルズの観点から考えると、アップルはこれまでの様なiPhoneの爆発的な販売量の伸びに陰りが見えて、売上高の伸びが1桁に留まっています。このことから、マーケットから成長が鈍化したと判断されており、米国株全体のPERが18倍程度の中、15倍程度に落ち着いています。
アップルに対する評価、ファンダメンタルズから考えても、『優れた事業をそこそこの値段で買う』バフェットの方針にアップルはぴったりとハマっていると考えられるのではないでしょうか。