ウォーレン・バフェット ウォッチャー

"投資の神様"と名高いウォーレン・バフェット氏をウォッチするブログ。同氏がCEOを務めるバークシャー・ハサウェイ社の動向と関連する情報をフォローする。

バフェットの名言の行間を読む②「借金は純資産の1/4まで」

「バフェットは借金が大嫌い」


こんなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?彼自身が質素な生活をしていたり、貯金を若者に勧めたりということもあり、この様なイメージを持たれるに至っているのでしょう。


ただ、実際のバフェットは借金をハナから否定している訳ではありません。


「手持ちの25%以上のお金を借りて使ったことはない。1万ドルしか持っていないのに100万ドルがあったらいいなと思うようなアイデアが浮かんだ時もそうだった」


バフェットの格言です。手持ちのお金、つまり、会社でいえば純資産の1/4までは借金をしてもよい、と言っています。家庭でいえば、貯金が1,000万円あるのであれば250万円までは借金が許されるということですね。


では、バフェットは自身の言葉通り、自身が経営するバークシャーの借金を1/4以下に抑えているのでしょうか?


以下の通り2007~2015年の長期有利子負債(Long-term debt)と純資産(Total equity)をプロットしてみました。


(gurufocusより筆者作成・単位:US$百万)


リーマン・ショックに見舞われた2008年こそ純資産は減少していますが、それ以降は順調に増加しており、2015年には2008年の約2.5倍に達しています。一方、長期有利子負債も順調に増加しています。


ここで純資産と有利子負債の比率を見てみたいと思います。バフェットの格言通りなら、純資産の1/4以下に有利子負債は抑えられてるはずですね。


右軸で表されるDebt to Equityは有利子負債÷純資産で算出した数字です。つまり、バフェットの格言通りであれば、0.25以下の水準となるはずですが、平均すると0.33の水準で推移しています。


あれれ?1/4以下どこいった?という声が聞こえてきそうですが、バークシャーの買収の歴史を辿ると、0.33(つまり1/3)でも規律が保たれていると言えそうです。


下の図の通り、バークシャーは2010年にBNSF(鉄道事業)、2013年にHeinz(ケチャップの製造・販売)を買収しました。



鉄道事業は元来、長期での固定負債が多い傾向にあります。BNSFの2008年のAnnual Reportを見ると長期有利子負債 (社債含む)がUS$9,555百万ありました。これをまるごと買収したので、買収が完了した2010年の長期有利子負債は膨らんでいます。


また、Heinzの案件はブラジルのPEファンド "3G Capital"と組んで、投資先のキャッシュフローを担保に買収するLBOという手法を用いたものでした。つまり、借金で行った買収なので、2013年の有利子負債も膨らんでいます。


また、2016年1QにはPCP(航空機等の部品製造・販売)の買収が完了したと同時に、この取引の為に約U$10,000百万の社債を発行したので、これまた長期有利子負債が膨らむことが予想されます。


有利子負債を増やし続けるバークシャーですが、3年毎に大型買収を成功させているにも関わらず、純資産に対する有利子負債の比率を1/3程度に維持してきている、という言い方が正しそうです。これはバークシャーが保有する事業が優良でキャッシュを順調に生み、純資産を増加させているから証でもあります。


借金をハナから否定するのではなく、上手く活用する術をバフェットから学んでいる気がします。


ただ、バフェットの格言「手持ちの25%以上のお金を借りて使ったことはない。」は"25%以上"ではなく、"33%以上"と訂正した方が聞いている人たちの納得度は増すのではないかと思えた実証でした。笑














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