ウォーレン・バフェット ウォッチャー

"投資の神様"と名高いウォーレン・バフェット氏をウォッチするブログ。同氏がCEOを務めるバークシャー・ハサウェイ社の動向と関連する情報をフォローする。

バークシャー・ハサウェイ社は買いか?

最近、「バークシャー・ハサウェイ社の株価は適正なのか?」という論調の記事をよく目にします。2015年のS&P 500の株価上昇が1.4%に留まったのに対して、バフェットが企業の価値増減の目安としているバークシャーの1株当たりの純資産増加が6.4%と大幅に上回っていた為にバークシャーを見直す動きが出てきているのかもしれません。


仮にバークシャーの株を購入する際、今の株価が高いのか安いのか、どの様に考えればいいのでしょうか。「"投資の神様"がCEOを務めている会社の株だから。」「今まですごい勢いで株価が上がってきたから今後も上がるんじゃないの?」という理由も一理あるとは思いますが、これでは財布の紐にシビアで数字に強いあなたの奥さん(若しくは旦那さん)を説得することは出来ません(笑) 


沢山ある記事の中から、バークシャーの本質的価値("Intrinsic Value")と時価に就いて示している記事を1つピックアップしてみました。


http://www.fool.com/investing/general/2016/03/24/berkshire-hathaway-is-35-undervalued.aspx


この記事では2015年のバークシャーのAnnual Reportの数字を使って、Intrinsic valueを①1株当たりの現金・投資("資産")と②1株当たりの利益("収益力")に分けて考えています。1株当たりの価値を①$107/share + ②$82/share = $189/shareと計算出来る為、時価$140/shareと比較すると35%も割安なのではないか、という論調です(数字は全てclass B換算)。


実はこの記事に使われている方法はまさに、バフェットが同社のAnnual Reportの中で述べているIntrinsic Valueを算出する方法なのです。但し、記事とAnnual Reportの違いは具体的な数字を提示しているかどうかにあります。バフェットはAnnual Reportの中でIntrinsic Valueはバフェットとマンガー(同社会長)の間でも異なり、更に、金利や将来Cash Flowの変化で容易に変わってしまうものだと述べ、具体的な数字を株主に提示していません。上記の記事も、収益力の部分を1株当たりの年間税前利益$8.2の10倍を前提として計算したもので、"10倍"の数字自体は意味がないものになっています。


この収益力のmultiple(倍数)がどれほどIntrinsic Valueの計算にインパクトを与えるか実際に計算してみましょう。


仮にこの"10倍"を"15倍"とすると、バークシャー株のIntrinsic Valueは$230/shareとなり、64%ものdiscountを受けている計算となります。非常に割安な価格で買えますね。


一方、"10倍"を"5倍"とすると、バークシャー株のIntrinsic Valueは$148/shareとなり、6%しかdiscountを受けておらず、略fair valueで取引されている計算となります。


上記からわかる通り、1株当たりの年間税前利益に対するmultipleでIntrinsic Valueが大きく変わってしまう為、バフェットは数字をAnnual Reportに記載していないものと推測出来ます。


では、バークシャーの株を購入するにあたり、今の株価が高いのか安いのかを判断する根拠となるもっと確からしい数字は無いのでしょうか?


実はもう一つ、バークシャーの自社株買いの水準が目安となります。2012年以来、バークシャーは"純資産の120%"を自社株買いの目安としてきました。時価がこの水準以下であるのであれば、他に更に魅力的な投資案件が無い限り、バークシャーは自社の株を買取り、引き続き株主である人々の為に1株当たりの価値を上げるということです。


2015年末時点での1株当たり純資産は$104/shareでしたので、20%を上乗せすると$124/shareが現在の自社株買いの目安となっているはずです。

現時点ではこの目安以上で取引されていることになりますが、過去5年間だけを振り返っても"120%"以下で取引されていた期間もあり、多くの投資家にとっては購入のチャンスであったと言えるでしょう。


(以下のychartでは株価÷純資産が一目瞭然です。)

https://ycharts.com/companies/BRK.A/price_to_book_value


実際には自社株買いをした後、すぐに株価がその水準以上に戻るか否かは神のみぞ知るところですが、理論的・長期的には株価は戻ることになります。


数字が確たるものでなく、常に変動してしまうIntrinsic Valueを目安とするよりも、自社株買い水準まで株価が下がるタイミングを待って投資することが一番保守的で、あなたの奥さん(若しくは旦那さん)との関係を考えると健全なのかもしれません(笑)



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