ウォーレン・バフェット ウォッチャー

"投資の神様"と名高いウォーレン・バフェット氏をウォッチするブログ。同氏がCEOを務めるバークシャー・ハサウェイ社の動向と関連する情報をフォローする。

バフェットとハリケーン

大型ハリケーン「ハービー」が米国テキサス州湾岸部を直撃しています。この度、被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。


「ハービー」による人々の精神的な被害に加え、その被害額が数兆円に上るとの予想が報道され始めています。意外に知られていませんが、ウォーレン・バフェットがCEOを務めるバークシャー・ハサウェイ社は損害保険、並びに再保険(保険の為の保険)事業を営んでおり、今回の様な大型の災害が訪れたときには、被保険者に対して求償される保険金を支払います。これはバークシャーにとって、大規模な損失となります。


2005年8月に米国南東部を襲ったハリケーン「カトリーナ」を覚えている方も多いとは思いますが、実は同じ年に米国は「リタ」・「ウィルマ」といった同規模、若しくはそれ以上の規模のハリケーンに見舞われていて、被害に遭われた方々に多大なる損害を与えると同時に、バークシャーにも大規模な損失をもたらしました。


同年のAnnual Reportでバフェットはこのように振り返っています。


(訳)
ハリケーン「カトリーナ」はバークシャーと保険業界の双方に記録的な損失をもたらしました。我々は「カトリーナ」による損失を$25億、その醜い姉妹(※英語ではハリケーンを女性扱いします)である「リタ」・「ウィルマ」は$9億と見積もっています。


(原文)
Hurricane Katrina inflicted record losses on both Berkshire and the industry. We estimate our loss from Katrina at $2.5 billion – and her ugly sisters, Rita and Wilma, cost us an additional $.9 billion.


引き受けている損害保険・再保険の内容によってバークシャーに求償される保険金額は異なりますが、数兆円に上ると言われる今回の被害額を考えると、バークシャーにとっても心穏やかでいられない年になることは間違いありません。

バフェットの総資産

バフェットは以前から、自身がCEOを務めるバークシャー・ハサウェイ社の保有株式が自身の総資産の99%以上を占めると公言しています。では、バフェットが保有するバークシャー・ハサウェイ社の株式数はどれほどなのでしょうか?


バークシャーはClass A・Class Bと2種類の株を発行しています。Class AはClass Bの10,000倍の議決権(Voting Power)と1,500倍の経済的持分(Economic Interest)を持つように設定されています。同社がSEC(アメリカ証券取引委員会)に提出した資料によると、2017年3月8日時点での夫々の発行済み株式数とそこから算出される議決権・経済的持分は以下の通りとなっています。



対して、バフェットの保有株式数とそこから算出される議決権・経済的持分は以下の通りです。



バフェットの持分を分子、バークシャーの発行済み株式数を分母として計算すると、バフェットが保有するバークシャーの議決権比率は32.7%、経済的持分比率は17.9%になります。


バークシャーの時価総額にバフェットの経済的持分比率をかけると、彼の大凡の総資産額がわかります。是非一度計算してみてください!


バフェットと再生可能エネルギー

ウォーレン・バフェットがCEOを務めるバークシャー・ハサウェイは傘下にバークシャー・ハサウェイ・エナジーという会社を抱えており、同社はアメリカを中心に風力・太陽光といった再生可能エネルギーに多額の投資をしています。


アメリカでは、技術の進歩と規模の経済によって、風力・太陽光が石炭での火力発電のコストを下回るタイミングがすぐそこまで迫っていて、これまでの多額の投資が大きな花を開くのは間違いないと思われます。



環境保護と利益創出を両立させようとするバークシャーから目が離せません!


バークシャー・ハサウェイ・エナジーによる再生可能エネルギーの取り組みの動画を是非ご覧下さい。


Berkshire Hathaway Energy - Earth Day